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2021年7月19日

【神戸市外大魅力発信 開催報告】第3回「旅する物語-対話することばと絵-」

神戸発!音?声?ことば―新たなつながりを求めて― 」

第1部 わたしたちの「オン?ザ?ロード」ー 旅から生まれるストーリー

第3回「旅する物語-対話することばと絵-」

7月18日(日曜)、スチューデントコモンズを会場に、オンラインで第3回講演会「旅する物語-対話することばと絵-」を開催しました。

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講師は本学客員教員で翻訳家、東京大学名誉教授の柴田元幸氏と同じく本学の客員教員で絵本作家のきたむらさとし氏で、7月3日からBBプラザ美術館(神戸市灘区)で開催中の「ジャック? ケルアック『オン?ザ? ロード』とビート? ジェネレーション」へのオ マージュ企画ということもあり、「旅」そして 「物語」について対談形式での開催となりました。

旅について本を書くことはあるものの、実際に旅行にはあまり行かないという柴田氏と、一方で仕事で旅に出る機会が多いというきたむら氏の両者の旅や日常での時間の感じ方の違いから話はスタートし、旅と物語についての話を進めていきました。

柴田氏が「ほとんどの物語は旅である」、場所は動かなくても異なるものが入ってきて物語が始まる、もしくは場所を移動して物語が始まるなど、「異なるものとの出会い」が物語であると旅と物語の関連性について話すと、

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きたむら氏は、「いつも歩いているところでも感覚が鋭くなれば、違うものに感じる、旅になることがあるのではないか?」と日常も視点を変えるきっかけさえあれば、旅と同じような感覚が味わえる、物語も作れるのではないかと話しました。

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その後、具体的な事例としてきたむら氏の絵本を例にとり、旅の物語をいくつか紹介しました。
『UFO Diary』(英文、文絵:きたむら氏)では柴田氏が英語を読み、日本語にも翻訳、『わたしのゆたんぽ』(和文、文絵:きたむら氏)では、きたむら氏が自作のスクロール紙芝居を披露しました。
(こちらのインスタグラムでも一部紹介しています)

旅の話題以外に絵本作家は、とにかく文章をそぎ落として作品を書くことや、詩の翻訳は日本語訳だけでなく原語も掲載してこそ表現がより豊かになると、それぞれの立場からの物語の表現方法についても説明。

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スチュワート?ダイベックの「3つの夜想曲」の紙芝居と紙芝居の裏側の仕組みを見せる様子

また、一緒に仕事をする機会が多いという二人は、スチュワート?ダイベックの「3つの夜想曲」という詩をきたむら氏の紙芝居に合わせて柴田氏が朗読、また柴田氏が現在朝日新聞で翻訳中のガリバー旅行記の朗読に合わせ、きたむら氏が即興で絵を描くという息のあったコラボレーションを披露し、視聴者を楽しませました。

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柴田氏の朗読に合わせて描かれる絵


講演後に届いた視聴者からの感想を一部紹介します。
たくさんの方に感想をお送りいただきました。ありがとうございました。

講演後届いた感想(一部抜粋)

きたむら先生の紙芝居が素晴らしかったです。柴田先生とのコンビネーションも良く、最後のガリバー旅行記の朗読と絵は、感動的でした。

柴田先生の本は若い頃に度々読んでは刺激を受けていましたし、きたむら先生の絵が大好きで子どもだけでなく大人にもよく紹介します。お二人のお話をとても楽しみにしていました。柴田先生の物語の紡ぎ方、翻訳での言葉選びには納得したり面白く伺いました。きたむら先生の巻き絵紙芝居にはかなり心くすぐられました。柴田先生の朗読を聴きながら、きたむら先生のライヴペインティングを拝見できるなんて!仕事を休んでよかったです。知り合や友人にも登録して、アーカイブ視聴ができることを伝えたいと思います。ありがとうございました。
芸術家同士の素晴らしい対談だった
柴田先生はどんな方で、顔つき、しゃべり方、声音......ガリバーさんはどんなひと?どのようにお話しされるのかとても楽しみにしていました。新聞の連載のガリバー旅行記は今、少し、読むのが滞っているのですが、しまった!と。これからは、もっと楽しんで読んでいけると思います。それから、英詩の朗読がとても良かったです。すっと心に入ってくるような感じで、声音といいリズムといい、素敵でした。ガリバーの朗読も聞き入りました。
きたむら先生の紙芝居、私も巻物風に絵をかくのが好きで、人に話すときには片手で繰り出しながら、片手で巻き取るわけですが、あの紙芝居とっても素敵でした。ことばで語るにはあまりにも自分の中にある宇宙は大きすぎ、言葉ではとりだせないですよね。絵で語る。表現について深く考えるチャンスがあり、哲学するチャンスがあり感謝感謝、死ぬまで勉強ですね。楽しんで勉強!本日自分の心の中を旅しました!