国際コミュニケーションコース

国際社会における様々なコミュニケーションの現場を念頭に置きながら英語運用能力を強化するコースです。
本コースのプログラムは、高校までに学んできた英語の知識を、聞いたり話したりすることに十分結びつけられるかどうかを確かめることから始まります。その後の授業は主として英語で行われます。

3つの授業群のひとつである「通訳演習」では英語と日本語を使いますが、それによって両言語の運用能力を高度化すると共に、人間のコミュニケーションが言語を超えることを実感してもらいます。この点については、第2の授業群である「プロセスの研究」でその本質の理解を深めてもらいます。コミュニケーション能力と呼ばれるものの本質が何であるのかを学ぶことはコミュニケーションのエキスパートを目指す者にとって有益なことです。第3の授業群では、教室を実際の国際舞台に近づけるように工夫されています。たとえば、模擬国連(MUN)を主題とした授業では、リサーチ、討議を踏まえ、受講生が国連加盟国の大使の役割を努め、演説をし、決議案をまとめていきます。これらのプロセスを全て英語で行うことによって、言語と実践的コミュニケーションの結びつきを体感することができます。

このようなプログラムを通して培われるコミュニケーション能力は、いろいろな業種における国際業務コーディネータの仕事などの基盤になると共に、会議通訳者、翻訳者のようなスペシャリストへの道に結びつけることが期待されます。

国際コミュニケーションコース紹介概要

概要
  • 国際社会における様々なコミュニケーションの現場を念頭に置きながら英語運用能力を強化するコースです。
  • 自分の言いたいことをうまく他人に伝え、相手の言っていることをすばやく理解することが日本語でも英語でも十分に行えるようになることが中心課題です。
  • 将来、会議通訳者や翻訳者のような専門家を目指す人、英語という言語そのものを扱うというよりも、ビジネス、社会活動などで英語力をふるに使う仕事を目指す人、逆に英語そのものを学問的に研究したい人、それぞれのタイプに向けられた授業が用意されています。そして、実は、そのような一見異なった種類の授業を組み合わせて受講することが個別目標の達成にも役立つのです。
コースの特徴
  • 実社会におけるコミュニケーションの実態に結びついた授業を展開します。
  • 少人数(人数制限します)で密度の濃い授業を通して、英語の知識と運用の相互連携を強めます。
  • 授業は基本的に英語で行います。
  • TOEIC、TOEFLなどで英語力の伸長を確かめます。
カリキュラムの概要
  • まず、高校までに学んできた英語の知識を聞いたり話したりすることに十分結び付けられるかどうかを確かめる授業(「リスニング分析」「オーラルコミュニケーション」)を受けてもらいます。(2年次受講を基本とします。)
  • 3、4年次で受講してもらう授業は次の3つの群に分かれます。:
    • <a群> 通訳演習。英語と日本語の間の通訳、翻訳を実践することを通して、両言語の運用能力を高度化すると共に、人間のコミュニケーションが言語表現を超えることを実感してもらいます。
    • <b群> 知識と運用の連動。「模擬国連」や「神戸研究」などのプロジェクトベースの授業を通して、英語による議論や報告などの活動に英語の知識を連動させます。英語の知識を日常的に運用することによって知識の動的側面を強化し、英語によるコミュニケーション実践力を高めます。
    • <c群> プロセスの研究。コミュニケーションと呼ばれる人間活動の本質が何であるかを学びます。これは、言語学、コミュニケーション学などの分野の学術的な関心につながる可能性があるだけではなく、コミュニケーション能力向上を目指す者にとっても有益なことです。
  • これら3種類の授業を組み合わせることによる相乗効果を目標とします。
科目紹介
  • 「リスニング分析1、2」:聞いた内容を"大体"ではなく"正確"に理解できるよう集中的にリスニング練習を行います。一人ひとりのリスニング力の問題点を分析しながら、多種多様な英語を大量に聞き取り、音声認識?処理能力の劇的な向上を図ります。
  • 「オーラル?プレゼンテーション1、2」:特に日本人は弱いと言われている、英語を話す力を高めることを目指します。前期は、使える英語の表現を増やすこと、文法的慣習を自動化すること、プロソディを効果的に運用することなどを中心に基盤整備をし、後期はディベートを中心に表現力を定着させることを目指します。
  • 「会議通訳(同時)」:応用視聴覚教室の同時通訳ブースを活用し、色々な素材を用いて英語から日本語、あるいはその逆の同時通訳実践的に取り組んでもらいます。技術的なことを学ぶだけではなく、コミュニケーションの本質を実感するきっかけにもなります。
  • 「神戸研究」:国際都市神戸と世界の「つながり」に焦点を当て、歴史?文化?宗教?教育?建築?ファッション?防災?観光?政治?ビジネスなど神戸の特徴を切り口に選び、文献調査、データ収集、インタビュー等のリサーチを行い、その結果を英語でプレゼンテーションします。英語プレゼンテーションの内容は、学んだことをまとめるだけに留まらず、批判的考察によって課題を明らかにし、未来志向、問題解決型の提案を含むようにします。このような知的訓練を通して、神戸から世界を、世界から神戸を捉える双方向の視点や思考能力、実践的な問題解決能力を養い、グローバル人材の育成を目指します。
  • 「出版研究」:英文記事作成や編集の基礎を学び、インタビューのスキルや原稿執筆のノウハウを身につけます。グループプロジェクトとして、学期中に開催されるJUEMUN(日本模擬国連大会)にジャーナリストとして参加し、会議について実際に記事にまとめて発表します。
  • 「模擬国連」:リサーチ、討議を踏まえ、受講生が国連加盟国の国連大使の役割を演じ、演説し、決議案をまとめていきます。これらのプロセスを全て英語で行うことによって、言語と実践的コミュニケーションの結びつきを体感することができます。

教員からのメッセージ

英米学科教授 長沼 美香子

AIが苦手とする本物の国際コミュニケーションとは?

グローバル化した多言語社会のなかで、異なる文化をもつ人々とのコミュニケーションには何が必要でしょうか。私のゼミナールは、通訳翻訳の理論と実践がテーマです。通訳や翻訳はコミュニケーションの本質に迫る行為であり、テクノロジーの進歩とともに益々注目が集まり、さらに面白い分野になる予感がします。「意味」の理解が苦手なAI(人工知能)に「ある程度通じる通訳翻訳」をさせるためにも、まず「優れた通訳翻訳」とは何かを私たちが解明しなければならないからです。

学生からのメッセージ

英米学科4年女子学生

国際コミュニケーションコース(ICC)は、英語で発言し、考えることが求められるコースです。大変に感じる時もありますが、モチベーションが高いメンバーと共に学ぶことで自分も頑張れます。お互いに学びあえるとてもいい環境です。先生方もとても親身になってサポートしてくださいますし、熱心に教えてくださいます。翻訳、通訳など専門的な分野のことを英語で実践的に学べる環境はここしかないと思います。英語を使って学びたい人にはおすすめのコースです!